「ブラック企業」は英語で?
この間、ひとつ
英訳で困ったことがありました。
「私の会社、ブラック企業だったんだ。」
この一言、
どんな風に訳しますか?
☆ヒント☆
ひっかかりポイント(落とし穴)は、
・私の会社
・ブラック企業
この2つです。
正解は、この記事の最後でお伝えします。
さて、今日のテーマは
【使えそうで使えない】英語
文法的には合っている、
教科書にも載っていた。
…でも、本気で想像すると
「え?こんなの、使う場面なくない?」
という英語について、
考えてみたいと思います。
そして、今日の記事は
___________________
次回の記事とセットになっています。
__________________________________
答え(=“使える” 方の英語のお話)は
次の記事で発表しますので、
宿題気分で楽しんでくださいね♪
文法は合っているけれど「使うか」かなり疑問な英語
「なぜ、おかしいのか」
「どこが、おかしいのか」
を想像しながら、
ちょっと考えてみましょう!
↓
1.
Do you have in-flight sales?
(機内販売はありますか?)
2.
I don’t care.
(私は気にしません=何でもいいです)
3.
Do you understand?
(わかってますか?)
4.
I don’t understand.
(わかりません)
5.
Can I have an earphone, please?
(イヤホン、もらえますか?)
6.
Have you ever heard about Keith and Saki?
They broke up!
(キースとサキのこと、聞いた?別れたって!)
7.
Thank you for the meal.
(ごちそうさまでした)
※ご飯(おごってくれて/つくってくれて)
ありがとうございました。
と言われたあとの・・・
That’s fine.
(いいんですよ。)
↑ここまで
・。。・゚・。。・゚・。。・゚・。。・゚・
全部で、7つ。
一体なぜ
「使うか疑問」なのか?
もし、すぐにわかったとしたら
かなりの英語力を持っているといえます。
そしてもし、「ここが変なんじゃない?」というところが
分かったら、1個でも2個でもいいので
ぜひメールでご意見をいただけると嬉しいです。
ちなみにこの英語は全て、
ごく最近、私が【間違えた】英語でもあります。
厳密に言うと間違いではないのですが、
(文法的にも正しいし、
使おうとすれば使えるので)
「使う場面がないだろう」
ということで、
ネイティブと激論の末に、修正した英語です。
もう一度、お伝えしますが
文法的には合っています。
^^^^^^^^^^^^^^^^^
だから間違いではありません。
教科書や英語教材にも、
載っていることもあると思います。
でも、
「使えない」英語です。
次回、正解とともに、
一体何のためにこんな英語を集めていたのかお話しますね。
それにしても、こういった些細な英語の違いって
やっぱり気づきづらいんですよね ^ ^;
でも、しっかりやっているからこそ
間違えて当然というか、
間違えないことにはおもしろくないので
何事も失敗は大事だなあと感じます。
それでは、またお会いしましょう!
See you soon!
Have a great weekend!
ユッキー
“ブラック企業”は英語で?
冒頭の一言、
「私の会社、ブラック企業だったんだ。」
【大正解】
1. The company I worked for was an exploitative company.
【正解だが、誤解を招く可能性あり】
2. The company I worked for was a black company.
【正解なようで、ちょっと違う】
3. The company I worked for was a sweatshop.
【文法も単語も合っているけれど、
状況がおかしすぎて使えない】
4. My company was a black/an exploitative company.
私はこの一言を英訳するために、
↑全部で、4フレーズ考えました。
結果的に1番目の
The company I worked for was an exploitative company.
がベストだったので、
これで訳すことにしましたが
この訳に辿り着くまでかなりの時間がかかりました。
というのも、まず「ブラック企業」というのは
日本生まれの言葉であって、
英語には存在しない言葉だから、です。
アルファベットを使って、
“black company”=ブラック企業、
と言うことはでき、
日本社会に詳しい人、
日本で働いている外国人の中には
「black company」
=あぁ、社員などスタッフを過剰に働かせる、
劣悪な労働環境の会社のことか…
と想像がつく場合もありますが、
中には、black companyと聞くと、
「black(黒人の)会社、企業」
をイメージし「差別発言」として
捉えられてしまう場合もあるようです。
特に、アメリカの場合、
black=黒人に直結させてイメージすることが多く
ちょっと注意した方がよさそうです。
(whiteやyellowに関しても、同じことが言えます)
そんなわけで、
誰がどこの国で使っても
絶対に誤解なく伝わる単語を探す必要があり、
結果として、
「exploitative」
【形】
搾取的な、自らの利益のために
巧みに人を利用するさま
を使うことにしました。
3番の「sweatshop」は
「搾取労働」のこと。
【ブラック企業 英語で】
と、Googleで検索すると、
このsweatshopがたくさんヒットしたので
これなのかな?と思って
最初採用していたのですが、
よくよく調べると、
というか、英英辞書でsweatshopを検索すると
全然意味が違うことがわかり、
(sweatshopとは、特に
clothing industry(=洋服などを扱う業界)での
劣悪な環境、低賃金で働かせる労働環境を
差す言葉らしいです。おそらく、
海外の歴史物の映画とかでたまに見る、
大きな工場に大量の女性がいて、
永遠とミシンをさせられている、
たまに、工場長から乱暴をされる…ような
あの工場のことを差す言葉なのだと思います。
レ・ミゼラブル、とかにも出てきますね!)
スーツを着て、とても遅くまで働く、なのに残業代はつかない…
といった、日本の
「ブラック企業」のイメージとはかなり違うな、、
と思い、却下しました。
※英単語は、英英で引くと真の意味がわかります。
英英を使った学習は、本当にオススメしますよ!
最後、4番目に書いている、
My company was a black/an exploitative company.
は、一体なぜ、
「状況がおかしすぎる」のかというと、
My company(=うちの会社は)
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
会社を持っている(経営している)人が
発言するときに使うフレーズだからです。
日本語では、
「うちの会社は〜、私の会社は〜」といいますが、
これをこのまま英語に訳してしまうと、
My company〜
=「え?会社やってるの?すごいね〜!」
といった印象になります。
会社を持っていない人が
「私が働いている会社」と言いたい時には、
I work for〜
過去のキャリアを語るときは、
I worked for〜
にしなければいけないんですね!
My company was an exploitative company.
(僕が経営してる会社は、ブラック企業だったのさ!)
The company I worked for was an exploitative company.
(僕が働いていた会社は、ブラック企業だったんだ…)
…大違いです (^ ^;)
「ブラック企業」ひとつとっても、
文化や歴史の話、考え方の違いの話、
主語を間違えるとガラッと変わる話、
いろいろと、勉強になりました〜!