いとをかし。 英語では?
和の雰囲気を感じながらお聴きください🎋
久しぶりに読みたくなって買いました📗
文体もとても読みやすく、清少納言のストレートな感性が現代語で生き生きと書かれています。
生き物や自然についての描写から、
「はずかしいもの」「そそっかしい人」「こころときめきするもの」
感情や印象別に書かれたものまで。
1000年以上昔も今も、変わらないものは変わらないんだなぁ。
みんな同じこと考えるんだなぁ。と思わせてくれる随筆です。
もちろん外国語訳もされていて、
英語翻訳版は『The Pillow Book』
そのままですね!
イギリス人作家Ivan Morrisの訳が有名です。
枕草子といえば【をかし】
「春はあけぼの」で始まる四季の美しさの中にもでてきますね。
特に秋の部分では【をかし】と【あはれ】の両方が使われています。
英語では何と訳されているのでしょう??
夏は夜。[…略…]雨など降るもをかし。
In summer[…略…]and even when it rains, how beautiful it is!
秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。
In autumn the evenings, when the glittering sun sinks close to the edge of the hills and the crows fly back to their nests in threes and fours and twos: more charming still is a file of wild geese, like specks in the distant sky. Then the sun has set, one’s heart is moved by the sound of the wind and the hum of the insects.
引用:『THE PILLOW BOOK OF SEI SHONAGON TRANSLATED AND EDITED BY IVAN MORRIS』PENGUIN BOOKS
秋のパートでは【をかし】が【charming】で訳されていました。
ですが【あはれ】を表す言葉はパラグラフの中には無いんですね。
をかしとあはれが一緒にされた感じで「もっとcharmingなのは〜」と訳されています。
夏の部分では【をかし】が【beautiful】になっています。
【をかし】や【あはれ】を一語で表す英単語は無く、文脈やお話の流れの中で最も適当なものが充てられています。
他の部分で出て来る【をかし】【あはれ】も、どんな風に英語にされているのか探してみようかなと思います💡